【2025年 全日本ロードレース選手権 第3戦 筑波 J-GP3】2レース共にブリヂストン勢が表彰台の2席を獲得

全日本ロードレース選手権第3戦の舞台は筑波サーキット。J-GP3のみの2レース制の開催。梅雨入りから10日あまりが経っていたものの、すでに梅雨が明けたかのような夏空に包まれたレースウイーク。土曜日に予選とレース1が、日曜日にレース2が行なわれた。

土曜日の朝9時5分から20分間のタイムアタック形式で行なわれた予選。セッション序盤から武中駿（ブリヂストン）が積極的にタイムアタック。1分00秒台前半のタイムを更新しながらリーダーボードのトップに立ち続ける。
セッション中盤には高杉奈緒子（ブリヂストン）が59秒台に突入。尾野弘樹（DL）とタイム合戦を展開する。
終盤には若松怜（ブリヂストン）、岡崎静夏（ブリヂストン）も59秒台での攻防に参戦。
残り1分。高杉が59秒778でトップ浮上。しかしチェッカーと同時に尾野が逆転。ブリヂストン勢は2番手から5番手までを占める結果となった。

午後の決勝スタート時の気温は32.6度、路面温度56.4度と厳しいコンディション。レース序盤は高杉が尾野と順位を入れ替えながらのトップ争いを展開。ここに武中、高杉、若松、岡崎が加わりトップ集団が形成される。徐々に尾野と武中の一騎打ちの様相に。6周目に若松が3番手浮上。猛然とトップ2台を追いかけ始めるが、すでに1秒ほどの差が開いている。その若松の背後に岡崎がぴたりとつける。
レース中盤。武中は何度も尾野の前に出る。若松は岡崎との激しい表彰台争いに移行。
14周目にトップを狙う武中が転倒。後方では#2 若松と#4 岡崎の争いが激化。#4 岡崎が#2 若松を抜いた16周目、再度岡崎に仕掛けようとした若松が転倒。これで尾野、岡崎がそれぞれ単独走行に。3番手単独走行を開始したのはセカンド集団から上がってきた松島璃空（ブリヂストン）。残り周回は大きなアクシデントもなくチェッカー。岡崎は自己最高位の2位、松島は全日本初表彰台と喜びにあふれる表彰台になった。

●岡崎静夏（予選3位／決勝2位）
「高温の中でチェッカーを受けることができたのはブリヂストンタイヤのおかげです。ここまで自分のレベルを上げてこられたのもタイヤをチェンジしたのが大きかったです。でも、まだまだタイヤを使い切れていません。タイヤの方がキャパシティがあるので、もっと使い切れるようにスキルアップしなければなりません。今レースでも何度かフロントから転倒しそうになりましたが、その先で耐えてくれました。まだ頼りっぱなしだなと思います。頼らなくてもいいようなライダーを目指します！」

日曜日に開催されたレース2は、土曜日開催のレース1よりも50分遅く13時50分にスタート。朝から真夏のような天候で気温は35度、路面温度は58.3度にまで上昇。風も強まり、厳しいコンディションになった。
好スタートを切ってホールショットを奪ったのは高杉。すぐに尾野、若松が高杉をパス。3台はそこここで順位を入れ替える激しいトップ争いを展開。3周目には若松がトップに浮上。若松は尾野と代わる代わる首位に立つ。高杉は2台の背後にぴたりとつける。
レース中盤。尾野、若松、高杉の順でそれぞれが淡々と周回を重ね始める。観客の注目は、後方の武中駿（ブリヂストン）、池上聖竜(PI)、岡崎、松島の4台による5位争いに移る。
レース終盤はトップ3台がそれぞれ単独走行に移行。若松は2位、高杉は今季初表彰台となる3位でフィニッシュ。最後まで激しかった5位争いは武中が制した。

●若松怜（予選3位／決勝2位）
「レースウイークをとおしてセッティングに悩んでいました。タイヤのよさを活かすことだけでタイムを出す状況でした。昨日のレースもタイヤは問題なかったのに、セッティングが決まらずにタイヤに負荷をかけすぎました。今日はタイヤに圧をかけすぎない走りを心がけました。でも昨日の転倒もあって、うまく詰め切れずに終わってしまいました。この暑さでもブリヂストンタイヤは全く問題ありませんでした。それでも安全パイを取るしかなかったのです。次はセッティングを決めて全力で走ります」